「豚インフルエンザ」が現在流行中✉️135✉️
今回、流行しているウイルスの中心は「A(H1N1)pdm09」と呼ばれるタイプです。この名前を見ても、ほとんどの人は「インフルエンザの一種なのだろう」としか思わないかもしれません。しかし、この「pdm09」という文字には、私たちが経験した大きなパンデミックの歴史が刻まれています。
pdm09とは、「pandemic 2009」のこと。つまり、これは、2009年に世界中で流行した、当時の「新型インフルエンザ」(豚インフルエンザ)のウイルスなのです。
15年以上前に「新型」として登場したウイルスが、いまでは私たちにとって身近な「季節性インフルエンザ」の一つになっています。この変化を知ると、今回のインフルエンザ流行は、単なる「今年は流行が早い」というニュースとは少し違って見えてきます。

「新型」だったインフルエンザが、いつの間にか「普通のインフルエンザ」に
2009年春、メキシコやアメリカで、それまでとは異なるタイプのインフルエンザウイルスが確認されました。当時、このウイルスは「豚インフルエンザ」と呼ばれることが多く、日本でも大きく報道されました。
それまで私たちが主に知っていたA型インフルエンザには、「A/H1N1」、いわゆるソ連型と、「A/H3N2」、いわゆる香港型などがありました。そこに新しいタイプのH1N1ウイルスが登場したのです。
人から人へ感染を広げる能力を持っていたため、世界各地へ急速に拡大しました。WHOは2009年6月、パンデミックを宣言しました。当時は「新型インフルエンザ」という言葉が連日ニュースに登場し、学校の休校やイベントの中止など、社会にもさまざまな影響が出ました。
ところが、それから15年以上が経った現在、このウイルスは「新型」ではありません。人間の社会に広がる中で、多くの人が感染したり、ワクチンによって免疫を獲得したりすることで、ウイルスに対する免疫を持つ人が増えていきました。
そしてA(H1N1)pdm09は、その後も人の間で感染を繰り返しながら変化を続け、そもそも「新型インフルエンザ」とは呼ばないということになり、現在では「季節性インフルエンザ」として定着しています。つまり、2009年にパンデミックを起こした「新型ウイルス」が、そのまま消えてなくなったわけではありません。
私たちの社会に入り込み、変化しながら、日常的なウイルスの一つになったのです。これは感染症を考えるうえで、とても重要なポイントです。
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