バイオがまじわる日常ーーポッドキャスト開始と人気記事✉️100✉️

2025年8月から開始したtheLetter「バイオがまじわる日常」の配信数が100になりました。今回はポッドキャスト「バイオがまじわる日常」開始のお知らせと、これまででアクセス数の多かった記事トップ10の紹介です。
山形方人 2026.05.25
誰でも

いまは「アテンション・エコノミー」の時代です。情報そのものよりも、「誰の話に、どれだけ時間と注意を向けてもらえるか」が大きな価値を持つようになっています。SNS、動画、ニュース、AIによる要約――膨大な情報が絶え間なく流れ込むなかで、人は限られた時間をどこに使うのかを常に選択しています。

そんな時代だからこそ、あらためて存在感を増しているのが「ポッドキャスト(ネットで音声を配信するソーシャルメディア)」です。

ポッドキャストとは?

通勤・通学といった移動中や家事の合間、散歩中、あるいは寝る前など、耳だけで情報に触れられるポッドキャストは、現代のライフスタイルと非常に相性のよいメディアになっています。車社会である米国では長年にわたり高い人気を誇っていますが、日本ではこれまで必ずしも広く普及してきたとは言えませんでした。

しかし、日本でも若い人たちの間で人気が高まっています。オトナルと朝日新聞の共同調査「ポッドキャスト国内利用実態調査」では、ポッドキャスト利用率は18.2%。15〜19歳では40.5%、20代では28.8%と特に若年層の利用率が高いとされます。特に、15〜29歳におけるポッドキャストの利用率は、TVer、TikTok、Amazon Prime Video、Netflixを上回るといいます。

テキストやショート動画では伝えきれない「背景」や「ニュアンス」、そして話し手の熱量や思考の流れまで届けられるのが、音声メディアの大きな魅力です。特に科学やバイオのように、断片的な情報だけでは誤解されやすいテーマでは、落ち着いて文脈ごと伝えられる音声配信の価値はますます高まっていると感じています。

ポッドキャストとは何かということについては、以下のリンクを参考にしてみてください。

どのようなポッドキャストを目指すか

私自身、iPhoneの前身ともいえるiPodの時代、つまり20年以上前からポッドキャストを聴いてきました。中心は英語の番組でしたが、最近になってようやく日本語のポッドキャストも増えてきています。

ただ、科学系の日本語ポッドキャストは、まだそれほど活発とは言えません。番組数自体も限られていますし、内容面でも、残念ながら物足りなさを感じるものが少なくないのが現状です。

そんななか、私の知人が、世界的に有名なポッドキャスターになっています。

それが、私が研究室で同じ部屋にいたAndrew Huberman氏による「Huberman Lab」です。Hubermanさんの番組は、ポッドキャスト文化が根付いている米国で、総合ランキングで20〜25位前後、さらに健康・フィットネスカテゴリでは1位の常連(2025〜2026年)です。月間ダウンロード数は、広告代理店Lower Streetの2025年データによれば810万〜1200万回に達しており、実質的に「月間1000万ダウンロード」のポッドキャストとなっています。

ポッドキャストHuberman Labの大きな特徴は、「専門家との長時間の会話」を軸にしている点です。ときには3時間、4時間におよぶ回もあります。一般的なサイエンスコミュニケーションで見られるような、「やさしく単純化して伝える」「簡潔に伝える」「楽しく伝える」スタイルとは少し異なり、むしろ専門的な内容を省略せず、できる限り深く掘り下げて伝えることを重視しているように感じます。

米国では、ポッドキャストを発信している研究者も少なくありません。たとえば、ノーベル賞受賞者であるDavid Bakerラボのポッドキャストは、その代表例です。

ポッドキャスト「バイオとまじわる日常」

こうして開始したポッドキャスト「バイオとまじわる日常」。現在は、AI音声(VOICEVOX:四国めたん/青山龍星)を用いて実験的に配信しています。しかし、録音環境も整えつつあり、まもなく実声による雑談トーク番組もスタートします。

Huberman Labのような長時間会話型のポッドキャストにも興味あるのですが、これを実施するには準備と少し資金が必要となります。

このポッドキャストで重視するつもりなのは、従来のサイエンスコミュニケーションに多い「やさしく単純化して伝える」「短く整理して伝える」「楽しくやさしく伝える」「単なる研究の宣伝」というスタイルではありません。そもそも私は「サイエンスコミュケーター」ではありません。むしろ、科学コメンテーターのような立場から、研究の背景や社会との接点、不確実性や論点を考えていきます。

つまり、このポッドキャストは、サイエンスコミュニケーション、科学啓蒙や教育を目的にしたものではありません。むしろ、あえてサイエンスコミュニケーションという枠組みから距離を取ることを意識していきます。サイエンスを「消費する」のではなく、サイエンスについて問い続けるためのポッドキャストです。

Apple、Spotify、YouTubeで発信中です。以下で確認可能です。スマホなどで検索する場合は、ポッドキャストのアプリで「バイオがまじわる」と検索してみてください。

「バイオがまじわる日常」でアクセス数の多いトピック10本

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